あなたは「クリッピング」という言葉を知っていますか?インコを飼ったことのある人なら一度は聞いたことがあるかもしれませんね。
「クリッピングってなに?」「インコにとって良いの?悪いの?」「クリッピングのメリットは?」「クリッピングのデメリットは?」そんな疑問を解決することができるよう、説明していきますね。
クリッピングとは?
「クリッピング」とは、インコの羽を切ることです。
それだけを聞くと「え!?なんで!?痛くないの!?」と不安に思われるかもしれませんが、切るのは「風切羽(かざきりば・かざきりばね)」という部分のみで、インコの翼部分の骨から一番遠いところの羽です。翼を広げたとき、先端に並んだ羽のことですね。
この風切羽を切ることで、インコは上手に風を受けれなくなります。よって、インコは上手に飛ぶことができなくなるのです。血管が通っていない羽の先端を切るだけなので血が出ることもないですし、インコが痛みを感じることはありません。
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クリッピングのメリットとデメリット
クリッピングが何なのかはわかったけど「なんでこんな事をするの?」と、思いますよね。飛べないと言っても、高く長く飛ぶことができないだけで、低空飛行や少しの距離なら飛ぶことが出来ます。
インコに限らず、鳥は飛んで当たりまえですし、なぜ故意に飛べなくする必要があるのかと不思議に思うでしょう。
では、クリッピングのメリットとデメリットをご紹介しますね。
クリッピングのメリット
- うっかり窓を開けたまま放鳥してしまった時、窓から逃げてしまう事故を防ぐことができる。
- 室内の危険な場所に飛んでいき、怪我をしてしまうなどの事故を防ぐことができる。
- 放鳥した際、飛び回ってケージに戻らないインコでも、クリッピングしておけばすぐにケージに戻すことができるため。
- 床を歩いて移動することが増えるため、人の手に乗る時間も増えて飼い主に慣れやすくなる可能性がある。
クリッピングのデメリット
- 上手に飛んで移動することができないため、床を歩いて移動することが増える。そのため、誤って踏んでしまったり掃除機で吸い込んでしまうなどの事故が起こる可能性がある。
- クリッピングした直後はインコ自身も「自分は飛べる」と思っているため、勢いよく飛んだものの、上手に飛ぶことができなくて落下してしまったり、物にぶつかってしまう事故が起きる可能性がある。
- 思ったように飛ぶことができないことがインコにとってストレスになってしまう。
- 運動不足になる。
うーん、外に逃げて迷子になってしまうリスクは減りますが、室内での事故については不安が残りますね。インコに限らず鳥類が飛ぶようになったのは、危険から身を守るためです。
そのため、床を歩き回ることで別の事故のリスクが上がってしまう可能性があります…。
しかし、なかなかケージに戻ってくれない放鳥大好きなインコをケージに戻すのって、結構大変だったりしますよね。その点、クリッピングをしたインコは人の捕まえやすい範囲を行動することになるし、思ったように飛ぶこともできないので、ケージには戻しやすくなりますね。
クリッピングすることで発生するメリットとデメリットは、インコや飼い主によっても様々です。自分たちにとってのメリットとデメリットをよ~く考えるようにしましょうね。
クリッピングをする際の注意点
クリッピングは家でも行うことができます。しかし、しっかりと保定していないとインコが動いてしまったりして、風切羽以外の部分を切ってしまったら大事故に繋がります!慣れているペットショップの人や獣医さんにやってもらいましょう。
また、「クリッピングしているからあまり飛べない」という事を過信していると大変危険です。窓を開けたまま放鳥したり、外に連れ出すことは絶対にやめましょう。
外に連れ出してもインコは上手に飛べません。そのため、羽ばたいて少し飛んだところで飼い主の近くにボテッと着地します。そこで猫などに襲われることもありますし、着地した場所で事故にあってしまうこともありえますよね。
実際にそういった事故が起こっているのは事実です。クリッピングをした後も、室内で安全に配慮して放鳥しましょうね。
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まとめ
クリッピングについてわかっていただけたでしょうか?クリッピングについては賛否両論がありますね。
クリッピングすることで防ぐことができる危険もありますが、クリッピングすることで危険になってしまうこともあるということを知っていただけたらと思います。
メリットとデメリットは人それぞれ、インコそれぞれです。
外に行きたい気持ちの強いインコは、窓に向かって体当たりして怪我をしてしまう子もいます。そういった子にクリッピングすることで、怪我を防ぐことができますし、窓が開いていた場合も上手に飛べないことから外に逃げることを防ぐことができます。
インコが「飛ぶ」というのは人が「歩く」という事と同じです。その行為を取り上げてしまうこと、それによって起こり得るリスクをよ~く考えた上で決めましょうね。
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